Columns

コンファレンス 「日本の地方創生のための構造改革の課題を読み解く」   開催報告

主催:公益財団法人 NIRA総合研究開発機構
2018年2月5日(月) 15:00-16:30
フォーリン・プレスセンター(FPCJ)会見室

 地方創生の実現は、人口減少、超高齢化に直面する日本にとって最重要課題である。政府も政策資源を積極的に投入しているが、さらに効果を上げるための方策はあるのだろうか。本コンファレンスでは八田先生をはじめ第一線で活躍する3人の識者が登壇し、現在の地方創生政策の柱の一つである補助金政策の問題点を指摘した上で、少子化対策や地方分権の課題を取り上げ、地方に...

Unit 01-C: 都道府県ごとの国民健康保険モデル給付額の算出

アジア成長研究所所長 八田 達夫 

序文

 本稿では、日本における高齢者への社会保険のための財政支出に関して、国と地方自治体の間で、どのような役割分担を行う制度改革をすべきかを分析する。特に、国が自治体ごとの住民の属性に応じて財源負担すべき「モデル給付額」を算定する。
 日本の現在の制度の下では、高齢住民は、住んでいる自治体に医療や介護などの高齢化対策費に関して多くの財政支出を余儀なくさせるが、税収はあまりもたらさない。高齢住民は、平均すれば、自治体財政にとって差し引き赤字をもたら...

Unit 07 キックオフペーパー:少子化対策と地方創生 ──経済学による接近

アジア成長研究所所長、経済同友会政策分析センター所長 八田 達夫 

 出生率は地方によって異なるから、そのことを考慮した少子化対策が採用されるべきである。

 この種の主張の中で、当初脚光を浴びた増田寛也+日本創生会議(2014)の『増田レポート』の少子化対策は、事実誤認に基づいていることは知られている。 1)

1) 八田(2015a、2016)、中川(2015)。

 

 本SPACEでは、まず中川(2016)が、このような事実誤認がもたらされた現象の原因を明らかにする。一方、...