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Unit 03 キックオフペーパー: 地方創生と「少子化」

国立社会保障・人口問題研究所副所長 金子 隆一 

 わが国の合計出生率(または合計特殊出生率TFR)は2005年にこれまでの最低値1.26を記録した後、いくらかの回復をみせたものの、現在は1.4台半ばで小康状態にある。この水準は親世代に対して子世代の人口規模が7割となる生み方である。したがって孫世代ではほぼ5割となる。つまり出生率がこの水準で「安定」しているかぎり、日本人の世代規模は2世代ごとに半減をして行くことになる。ごく最近までは団塊ジュニアという大きな世代が親となる年代だったおか...