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Unit 03 キックオフペーパー: 地方創生と「少子化」

国立社会保障・人口問題研究所副所長 金子 隆一 

 わが国の合計出生率(または合計特殊出生率TFR)は2005年にこれまでの最低値1.26を記録した後、いくらかの回復をみせたものの、現在は1.4台半ばで小康状態にある。この水準は親世代に対して子世代の人口規模が7割となる生み方である。したがって孫世代ではほぼ5割となる。つまり出生率がこの水準で「安定」しているかぎり、日本人の世代規模は2世代ごとに半減をして行くことになる。ごく最近までは団塊ジュニアという大きな世代が親となる年代だったおか...

Unit 03-A: 地方創生と少子化対策

国立社会保障人口問題研究所名誉所長 阿藤 誠 

1. はじめに

 日本で少子化が始まって40年を超える。総人口は2010年をピークに減少を始め、高齢化率(65歳以上人口割合)は2013年に25%を超えた。人口減少を日本の一大危機ととらえる安倍内閣は、昨年9月に「まち・ひと・しごと創生(以下、地方創生と略称)法」を制定した。それに基づき同年12月に、①国民希望出生率* 1.8の実現、②人口減少に歯止めをかけることを政策目標に掲げた「地方創生長期ビジョン」ならびに「地方創生総合戦略」...

Unit 03-B: 地方創生における少子化対策の在り方とは?

札幌市立大学デザイン学部教授 原 俊彦 

 2014年、日本創成会議が「ストップ少子化・地方元気戦略」1)を発表、「人口再生産力に着目した市区町村別将来推計人口」とともに「人口移動が収束しない場合の全国市区町村別2040年推計人口に関する地図」で、「2039歳女性」が50%以上減少する地域を明示し『地方消滅』の可能性を示唆したことはまだ記憶に新しい。これが契機となり『地方創生法』2)が施行され『まち・ひと・しごと創生本部』3)ができ、2015年現在、全国の市町村は「地方人口ビジョン」...