新着コラム

SPACE NIRA 投稿一覧(第1集)

  • 2016年12月10日

Unit 01「地方創成と医療・介護の自治体負担」
 鈴木亘、岩本康志、林正義
Unit 02「農業政策の論点」
 本間正義、大泉一貫、山下一仁
Unit 03「少子化対策と地方創生」
 金子隆一、阿藤誠、原俊彦
Unit 04「観光政策の論点」
 篠原靖、溝尾良隆、富川久美子
Unit 05「良い地方分権、悪い地方分権」
 佐藤主光、小林航、宮崎智視
Unit 06「日本の水産業と地方創生」
 小松正之、濱田弘潤、児矢野マリ
Unit 07「少子化対策と地方創生─経済学による接近」
 八田達夫、中川雅之、鈴木...

Unit 06 キックオフペーパー: 日本の水産業と地方創生

公益財団法人東京財団上席研究員 小松 正之 

概要

 戦後70年間、漁業法と水産業協同組合法制度が手付かずであることが原因で、獲ったもの勝ちのオリンピック方式 1)で漁獲が行なわれ、漁業資源と漁業の衰退を招いていることは、地方経済の衰退の大きな要因である。一方、ノルウェー、アイスランドや米国など諸外国は漁業の法制度を新しくして、漁業を活性化した。地方にも国家全体の経済にも貢献する産業に作り上げた。このような例をもととして、資源の回復と外部からの投資と雇用をもたらすことが日本の地方創...

Unit06-A: 個別漁獲割当(IQ)制度導入の経済分析

新潟大学経済学部准教授 濱田 弘潤 

はじめに

 日本の漁業の衰退が長らく指摘されている。水産庁のデータによると、日本の漁獲量は1984年をピークに減少の一途を辿っており、日本の漁業が衰退した理由の一つとして、乱獲による漁業資源の枯渇が挙げられる。ところがこれとは対照的に、アイスランドやノルウェーなどの水産資源国では、適切な資源管理政策を実施し漁業が成長産業となっている。日本の漁業においても、過剰な漁獲を防止し水産資源を維持するために、適切な水産資源管理を行う必要がある。諸外国で実...

Unit 06-B: 法的にみた日本の水産業の活性化の諸課題 ――利尻島・礼文島の事例から考える

北海道大学法学研究科教授 児矢野 マリ 

はじめに

 北海道は、日本の水産業の要である。平成26年の北海道における海面漁業と養殖業の生産は、量・額ともに全国都道府県別第1位である(北海道2016)。そして、水産業は北海道の基幹産業の1つであり、かつ沿海部および離島における地域社会の基盤でもある。しかし、他の地域と違わず、2つの問題――1)総生産量と主要魚種(スケトウダラ、サンマ、ホッケ、サケ等)の生産量の減少、2)漁業就業者の減少と高齢化――を抱える(北海道2016)。これは、北海...

Unit 07 キックオフペーパー:少子化対策と地方創生 ──経済学による接近

アジア成長研究所所長、経済同友会政策分析センター所長 八田 達夫 

 出生率は地方によって異なるから、そのことを考慮した少子化対策が採用されるべきである。

 この種の主張の中で、当初脚光を浴びた増田寛也+日本創生会議(2014)の『増田レポート』の少子化対策は、事実誤認に基づいていることは知られている。 1)

1) 八田(2015a、2016)、中川(2015)。

 

 本SPACEでは、まず中川(2016)が、このような事実誤認がもたらされた現象の原因を明らかにする。一方、...